
(石川県金沢市石坂)
金沢遊里の続きです。
今回は犀川周辺の遊里、「西廓」「石坂」「北廓」です。
前回取り上げた「東廓」「愛宕」「主計町」についてはこちら。
金沢遊里の総記もそこで書いてあります。

にし茶屋街(西廓)
こちらも現在は「にし茶屋街」という名で観光地化されています。
「東廓」もそうですが、通りもお茶屋の建物も小奇麗に整備されている感じです。

にし茶屋街(西廓) 検番
にし茶屋街の検番は下見板張りの洋風モダン建築です。

にし茶屋街(西廓)

にし茶屋街(西廓) 「西茶屋資料館」
「西廓」は地元出身の作家・島田清次郎ゆかりの地で、少年期を過ごしたお茶屋「吉米楼」を再現させた建物が資料館として公開されている。

にし茶屋街(西廓)
有名な観光地「東廓」に対し、こちらはあまり知られていないせいか、観光客はさほど多くない。
しかし、その分かえってゆったりと歩ける。

石坂
「西廓」に隣接しているのが「石坂」で、戦前からの遊里である。
西廓から水路を渡った先にスナックの看板を掲げている店が所々に見られる。
赤線廃止後も現役の遊里として健在のようだ。

石坂
細い通りに入ると、かつてのお茶屋と思われる家屋が所々に残っており、それらの多くで豆タイルで装飾されているのが目立つ。


石坂
遊客の目を向けさせるために鮮やかな色の豆タイルで玄関回りを装飾させている。

石坂
そして、「石坂」といえばこちらのお茶屋建築。
残念ながら、近年に解体されてしまったという。

『赤線跡を歩く2』で登場し、多くの遊里散策サイトでも取り上げられているが、腰回りのスクラッチタイルや床の豆タイル、窓屋玄関のデザイン、どれをとっても贅沢かつ凝った造りだった。

石坂
赤線時代を思わせるカフェー建築風のスナックも見られる。

石坂

石坂
住んでいない家屋が多かったが、ギャラリーとして再活用している旧お茶屋もあった。

北廓
石坂の近く、犀川寄りにベンガラ色の目立つ一軒がある。

北廓
恐らくこの辺りがかつての「北廓」ではないか。

北廓
そしてモダンな玄関回りの一軒はお医者さんだろうか。
(訪問 201507)